皮革産業資料館
企業博物館について調べていたらたまたま発見した皮革産業資料館。
台東区の産業研修センター内のスペースを使った資料館で
国内では唯一の皮革専門の資料館!
ネット上に情報が少ないのですが、
どうやら江戸以降、特に明治維新後の皮革産業についての展示をしている様子。
現代では革製品といえば靴と鞄が代表的ですが、
文明開化による西洋化の前は革靴も革製の鞄も
一般に広く使われていなかったんですから不思議なものです。
普段はあまり目にすることのない革製品を色々目にすることのできる
皮革産業資料館、期待が高まります。
皮革と台東区?と思いましたが、
確かに、浅草辺りには履物の小売、卸売のお店が多かったかもしれません。
場所は隅田川沿いの台東区産業研修センターの2階。
最寄り駅から徒歩ではなくてバス移動が前提の様子。
この日はあいにくの雪…
普段は閉鎖されていて、事務室で受付をすると
鍵を開けて電気をつけてくれました!
中はこんな感じ!
部屋が2室ほどで資料館というか資料室?
決して広くはないんですが、
展示品もコンパクトなものが多いのでそれなりの点数があります。
こちらの展示品、主に個人の方からの寄贈品で
なにやら未だ区の持ち物になっていないとのことで、
権利関係があるため、個々の展示品の写真はちょっとダメよ、とのこと。
う~ん、残念。
以前に書かれたブログで写真が載っている物があったのでご紹介。
http://www.pair-slope.co.jp/07-Ishino/P-1-2.htm
展示品には一番目立つところに有名スポーツ選手の道具がドーン。
ああ、スポーツシューズもグローブも革製品ですね。
古いものでは江戸時代の火消しの革羽織に頭巾、革製の鞘。
蹴鞠用の鴨沓なんかも!(下のリンクの一番下のようなタイプ)
東京都立皮革技術センター台東支所業務案内:かわとはきものギャラリー
洋館でよく目にする金唐革紙のオリジナル、金唐革がありました〜!
初めて見たかも(^^)
「鞄」という言葉が使われるようになったのは、
明治初期からだって知っていました?(私は知りませんでした)
それ以前は「胴乱」という言葉が使われていたんですって!
そんな革製の小物いれ胴乱もいくつか展示されています。
この辺りは江戸東京博物館や東京国立博物館でも見られそうですね。
文明開化による西洋化と同時に始められた日本の製靴産業ですが、
残念ながらその辺りの実物展示はありませんでした。
時代が進むと旧日本陸軍の軍靴や何故かひとつだけある陶器製の手榴弾。
戦時統制中の犬革の靴やファイバー製のランドセルなど。
私は革製品が特別好きというわけではないのですが、
様々な時代の物が見られるので面白い!
西洋化によって生活の様子が変っていくのが
展示品から想像できるのも楽しいですね〜。
同時に副館長の稲川實さん所蔵の世界のはきものが展示されていたのですが、
私はそちらに大興奮!
19世紀インドの繊細な刺繍の入ったサンダルや
李朝朝鮮の滑り止め用金属製の鋲がついた婦人靴、
アフガニスタンの牧童の靴などなど
面白いものがたくさんありました!
最初の画像の左奥のガラスケース分しか展示はないのですが、
ガラスケースに入っているので間近に見られて感激です。
トルクメニスタンのカラフルな刺繍の乗馬ブーツなんてまんま乙嫁語りですね。
纏足用の革靴もありましたよ、刺繍の入った布靴も一緒に。
ひゃー、ここは天国か。
行きにくい場所にはありますが、
近くに行った際に一度行ってみてもいいスポットですね!
展示品について詳しく知りたいときは、
数日前に連絡をしておくと、副館長さんが解説をしてくれるという噂も…
皮革産業資料館
〒111-0023 東京都台東区橋場1丁目36−2
03-3872-6780
【入館料】 無料
【開館時間】9:00~17:00
【休館日】 月曜日、祝日、年末年始
http://members2.jcom.home.ne.jp/sctaito/