日本民藝館/「アイヌ工芸 ─祈りの文様」
ミューぽんの告知で気になっていた日本民藝館へ。
特別展「アイヌ工芸 ─祈りの文様」
入館料大人1000円がミューぽん利用で800円です。
井の頭線東大駒場前駅からは歩いて10分ほど。
こちらの建物は柳宗悦をお父さんとして1936年に竣工したそうです。
柳宗悦さんといったら柳宗理のお父さんで民藝の人というくらいしか
認識していなかったのですが、こんなに立派な美術館を創っていたんですね。
こちらは西館、旧柳宗悦邸だそうです。
あいにく中は見て来ませんでした(;´Д`)
館内は展示されている民藝品やデザインされた展示ケース、
民藝の椅子まで調和が取れていてどこを見ても落ち着きます、素敵。
特別展はアイヌ工芸!
北海道の博物館で小さい時から結構見てはいますが、
当時はなんともなしに見ていたので今回は気合を入れてみようと思います。
展示品は植物繊維の織物に木綿のアップリケをした切伏メイン。
これ、アイヌ語だと晴れ着バージョンのアツシっていうものですよね。
袖口や裾、背中にほどこされたアイヌ文様の刺繍が見事です。
独特の幾何学模様が力強くもあり美しいです。
背中に刺繍がされるのは悪いものは目の届かない後方からやってくるため。
袖口に刺繍がされたのは悪いものは開口部から入ってくると考えられるため。
アイヌに限らず民族衣装にはよくある刺繍のパターン。
実際、開口部に刺繍がされたのは、
刺繍を施すことによって生地を補強する目的があるとか。
基本は白色と藍色です。稀に赤ですね。
他には首飾りのタマサイや太刀や小刀などの小物が色々。
木製のものは隙間なく彫刻が、さすが彫る彫る民族。
首飾りも実際に目にするとずっしりと重そうです。
東京国立博物館でも常設の展示品はありますが、
館内の雰囲気が違うので受ける印象も心なしか優しげです。
常設展示室では琉球の紅型や台湾の先住民族の衣装もみることができます。
ベースは前合わせの着物で一緒なのに
中国の影響とかもあるんでしょうけど。
アイヌは寒さを防ぐためか袖口がすぼまっていて色味も白藍で抑えめ。
琉球は素材も軽やかで袖も開放的、色味は顔料を使っているので
鮮やかです、色使いもちょっと中国的。
今は同じ日本なのに面白いものです。
アイヌの衣装はアミューズミュージアムでみた青森の刺し子とも印象が全然違います。
アイヌのものは展示されているのは晴れ着のはずなので、
普段着である青森のボロではなくて刺し子の着物と比べてます。
植物繊維に刺繍をしているという点では同じなんですけど、
刺し子はお米を食べている日本人が作ったもの。
アイヌ衣装はザ・北方民族ロマンって感じです。
色々比べてみると面白いですね。
日本民藝館
〒153-0041 東京都目黒区駒場4-3-33
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