伊勢半本店 紅ミュージアム/「愛せよコスメ! ~message from KISS ME~」
企業博物館にちょっと興味が出てきたので、
23区内の企業博物館をネットで物色。
ちょうど可愛い企画展をしている
伊勢半本店 紅ミュージアムへ行ってきました!
表参道駅から歩くこと15分弱…到着です!
実は失礼ながら、伊勢半本店さんのことはよく知らず…
公式HPを見ると伊勢半グループとしては
ドラッグストアなどでよく目にする化粧品などを扱っていることが判明!
これや…
これ!見たことありますね〜!
そんな伊勢半グループ、
元々は1825年、日本橋に創業した紅の製造問屋だったそうです。
現在でもその製法を受け継いで、
紅の製造・販売を続けているというのが素晴らしいですね。
こちらの伊勢半本店 紅ミュージアムは、
そんな紅についての歴史や文化を展示している企業博物館です。
展示室は撮影不可なんですが、販売スペースは撮影可能!
見た目にも可愛らしい紅猪口や…
携帯用の紅、板紅!
紅板とも言うみたいですね。
パカッ!
メタリックな玉虫色〜♪
実は紅の実物を見るのは初めて。
浮世絵なんかで玉虫色になるまで口紅を点す化粧法を見たことはあったのですが、
本当にきれいな玉虫色なんだ〜!
板紅は中の紅の色と合うようにデザインされているんですって、なるほど。
でも、コレって本当に赤色になるの??って思いますよね。
ところがどっこい、水をつけた筆でとると
鮮やかな赤色がパッと!(写真が…)
この紅を贅沢に塗り重ねて、
下唇を玉虫色にみせる化粧法が江戸時代文化文政期に流行したそうです。
笹色紅とか笹紅と呼ばれるんだとか。
紅は高価なものだったので、実際にこのような化粧ができたのは、
高貴な身分の女性など一部の富裕層や、位の高い遊女のみ。
笹紅ができるということは身分を現すステータスでもあったんですね。
一般女性は下地に墨を塗ってから紅を点すことで
玉虫色に近い色合いに見せるという工夫を凝らしていたそうです。
涙ぐましい。
紅の原料となる紅花も飾られていたので見せていただきました。
紅花の花弁から色素をとって紅が作られるそうですが、
美しい紅の原料にできる時期はほんの短期間。
この写真の紅花は紅の原料としては色付きすぎで、
この状態ではきれいな赤にならず、黒ずんだ色になってしまうんだとか。
紅花の色素は黄色がほとんどで赤色はほんの一部。
たくさんの紅花を使わないと紅が作れなかったので、紅は高価だったんですね。
入り口の展示、ケースのなかには紅の染め物が入っているそうです。
染める回数や濃さで色合いの違いを出しているそうです。
赤色って太陽の色や血の色に例えられて、
そこから魔除けや命のイメージとして使われることもありますから、
大昔は紅を点すというのは魔除けの役割なんかもあったのかもしれませんね。
埴輪が赤色で彩色されていますが、口紅としてどうだったんでしょうね。
ポーラ研究所のページを見ると正倉院の鳥毛立女屏風は口紅を指していますけど、
それ以前はどうだったのかしら?
で、今回は年に1回行われている企画展
「愛せよコスメ! ~message from KISS ME~」
平たく言えば、伊勢半の商品の歴史の展示です!
ざっくりした歴史は公式HPで見られるのですが、
そこには載っていないような、実際の製品が展示されていて面白いです。
プラスチック容器になる前の化粧品のデザインって宝物みたいでワクワクします。
化粧文化に関する情報をネットで調べようとすると
真っ先に出てくるポーラ文化研究所のページでも数点、
戦前戦後の化粧品の画像が公開されています。
個人的には口紅のケースのデザインが凝っていて素敵だったのと、
スーパーやドラッグストアで販売するセルフコスメを日本に導入したのが
伊勢半だというのが面白かったです。
1970年代に一世を風靡したというキスミーのシャインリップ!
3月に復刻版が発売されるそうですが、先行発売していたのでちょっと購入。
パッケージのフォントとかシールが時代を感じます。
ダサ可愛い。
化粧品の買い方、売り方、選び方って昔と今じゃ全く違っていますよね。
現代は比較的安価なセルフコスメがあふれているし、
商品一つ一つについてアットコスメで口コミが見られる状態。
広告でどんな文句を謳っていても、まずはネットで調べよう!という情報時代に。
親世代だとカウンセリングコスメ全盛で情報も少ないから、
広告が大きな役割を果たしているはず。
環境や買い方が変わってきている中で、
化粧品そのものやパッケージがこの先どうなっていくのか、なかなか興味深いです。
化粧文化についてはポーラ文化研究所が充実していますので
伊勢半本店のHPとそちらを見れば、ちょっぴり詳しくなれますね。
伊勢半本店 紅ミュージアム
〒107-0062 東京都港区南青山6-6-20 K's南青山ビル1F
03-5467-3735
【入館料】 無料
【開館時間】11:00~19:00
【休館日】 毎週月曜日