式部のニート的放浪日記

スペイン生活・カワウソ・美術館・博物館訪問記・民族衣装とか徒然

練馬区立美術館/「鹿島茂コレクション3モダン・パリの装い展」

応募していた深井晃子氏(京都服飾文化研究財団チーフ・キュレーター)の講演会
が当たったので練馬区立美術館へ!
 
最寄りの西武池袋線「中村橋」駅、家からはとっても行きにくい。
展示のフライヤーの裏にも「都心からも意外に近い!」と書いてあるのが泣ける。
有楽町線副都心線使えると楽なんだけど。
でも、駅からは徒歩2分と近いですし、中村橋の商店街もいい感じです。
 
入館料は500円。お安いです。
ミューぽん使うと更に100円割引になります、使い忘れました。
練馬区立美術館は何回か来ているけど、いつも面白い展示です。
f:id:shikibu56:20130824182918j:plain
 
f:id:shikibu56:20130824182905j:plain

 昨年の鹿島茂コレクション2も良かったから、期待。 

でも、図録は買わなかったんだよね、雨降ってたし書店で買えるから…

未だ購入に至らず。

 

さて、深井晃子氏の講演会。

KCIは1回行ってみたいんだけど、展示やってないばかりで機会に恵まれず。

 

深井先生、ネットで年齢を知ってびっくり!

実際お若くて、そんな歳だとは全然思わなかった。

何が一番印象に残っているかって言ったら、それがもう1番。

私も頑張ろう!

 

講演会「浪漫衣装から現代衣服へ」

ファッションプレートや絵画、写真を使っての衣服の推移の解説。

図板は直前に読んでいた先生の監修した本に入っているものが多かったし、

基本的な流れは知っていたんだけど、随所に入る先生の意見が面白かった!

印象派の画家の話とか、ウエディングドレスのデザインって古くない?とか。

世界服飾史

世界服飾史

 

最後のほうで先生が、

「ファッションプレートに描かれている女性は過剰にスリムだったり、日常生活に支障をきたすほどコルセットで細い腰を強調したり、クリノリンで女性らしいラインを出していて、男性の理想の女性像の押し付けじゃないか」

といった趣旨のことを話されたんですが、私はしっくりこなかった。

 

ファッショプレートに描かれている女性は女性の理想の女性像として描かれていて、

大事なのは、化粧や髪型がお洒落なことと服を美しく着こなせる体型。

過剰に細いウエストは女性自身の嗜好によるものだと思う。

締めたら締めただけ細くなるのでやっちゃうのは、現代の過剰なダイエットと同じでは?

クリノリンがドアに使えるほど大きくなるのも、女性同士の見栄の張り合いとか。

 

男性の描く女性の理想像は、

ルノアールの描く裸婦みたいな少しふっくらとした感じじゃないんだろうか。

昔から男性の裸婦画は大体ふっくらしているよね、

ゴヤ「裸のマハ」とかアングル「泉」、マネ「オランピア」とか。

前の時代はもっとふっくらしているし。

 

女性のファッションとか体型の理想が男性置いてきぼりなのは、

今の女性誌も一緒みたいだしね。

 

そう、ポスターで使われているガヴァルニの1831年の作品について!

この時代のキリスト教圏では女性がズボンなんて履いていると捕まるんじゃないか?

どういうことなのかしら?と思っていたけど、やっぱり日常用の衣服じゃなくて、

仮装舞踏会用の服を描いたファッションプレートだそうです。

f:id:shikibu56:20130513163345j:plain

女性のズボンが着用されるのって自転車が出てくる19世紀末だし、

その時代でもよくズボン姿の女性が風刺画とかに出てきますものね。

 

学芸員さんによるとちょっと特殊なこの作品がメインビジュアルに使われたのは、

「チェック×チェックで格段に可愛いから」だそうです、わかります、可愛いです(*´ェ`*)

白赤黒で色合いも可愛いし、ガヴァルニの女の子はめんこい。

 

 

展示の方も満足!

ガヴァルニが描く女の子が可愛くて図録買っちゃいました、ウハウハです。

美術館で買うと消費税分お得+300円で販売しているKCIの資料の解説付き。

 

 図録でも素敵なんですけど、やっぱり版画は実際に見るとかなり印象が違いますね。

手彩色もポショワールも木版画も色合いが本当に美しい。

印刷がきれいなのはファッション誌自体が有閑階級の高級品なのは当然として、

どうしてあんなにパキッとした色合いが残ってるんだろう?インクの違い?

とにかく、版画は実際に見たほうがもっといいです。

 

数展展示されている、実物の資料もうっとりです。

3次元で実物を見ると生地の感じとか、シルエットが良くわかるのでいいです。

これからもこういう感じで、実物を一緒に展示して欲しい。

KCIはやっぱりいい資料沢山持ってるんですね!

前に原美術館の展示でも見たことあるし。

ファッション―18世紀から現代まで 京都服飾文化研究財団コレクション

ファッション―18世紀から現代まで 京都服飾文化研究財団コレクション

こちらの本は持っているんですけど、他の本も欲しくなっちゃいます。

 

来年のKCIと京都国立近代美術館の共同展示も頑張って行きたい!

あれ、京都の展示「Future Beauty in Progress」(仮称)なんだけど、

これって東京都現代美術館でやっていた「Future Beauty 日本ファッションの未来性」

と内容的にかぶってる!?うーん詳細が出るまで待ちましょう。 

 

ファッションプレートに関する本は何冊か持っていて、

基本的なことは知っていたんですけど、見に行くと新しい発見がありました。

最近ファッションプレートの本、けっこう出版されていますね。

やっぱりエレガントで耽美な感じのバルビエが好きなので嬉しいです。

アール・デコのファッション・プレート

アール・デコのファッション・プレート

ファッション画の歴史―肌か衣か

ファッション画の歴史―肌か衣か

ファッションプレートへのいざない (フジアート・ヴィジュアル・ブックス)

ファッションプレートへのいざない (フジアート・ヴィジュアル・ブックス)

フランスのファッション・イラスト- 夢みる挿絵の黄金時代-

フランスのファッション・イラスト- 夢みる挿絵の黄金時代-

 

 

練馬区立美術館

〒176-0021  東京都練馬区貫井1丁目36−16

03-3577-1821

http://www.city.nerima.tokyo.jp/manabu/bunka/museum/